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腎臓病の標準かつ最新の診療を網羅した一冊!

腎臓内科クリニカルスタンダード(電子版のみ)

必携 ベッドサイドで必ず役立つ臨床腎臓病学のエッセンス

カバー写真
  • 編集:小松康宏(聖路加国際病院副院長)
  • A5判・628頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-2036-2
  • 2016年2月2日発行
定価 12,100 円 (本体 11,000円 + 税10%)
なし
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内容

序文

主要目次

腎臓内科若手スタッフや研修医にむけ,腎臓病診療に必要な臨床エッセンスをコンパクトかつ一歩踏み込んでまとめたマニュアル.本文は箇条書きで手順のみを示し,一目でわかる図表・写真・処方例を多用したデータブック的な要素を併せ持つ.箇条書きの本文では言い尽くせない突っ込んだ説明をメモ書きで解説した,痒いところに手が届き,実践に役立つ内容.
☆カラー写真8点,モノクロ写真7点,イラスト:28点,図版100点,表組207点


 腎臓内科クリニカルスタンダードをお届けします.
 腎臓内科・透析専門医が対象とする領域は極めて広く,腎障害,急性電解質異常など救急,集中治療領域でみられるものから,糸球体腎炎,高血圧,慢性腎臓病といった外来や一般病棟で遭遇するもの,進行した末期腎不全に対する透析療法,腎臓移植などの腎代替療法があります.血液浄化療法の理論と実際に通じているので,腎不全に限らず免疫疾患などに対する血漿交換療法などのアフェレーシス療法も依頼されます.
 人口の高齢化,生活習慣病の増加,医療技術の高度化に伴って,他の専門領域の患者が腎障害や電解質異常を合併する頻度も増加してきました.原疾患を治療するためにも,体液管理や薬用量調整,血液浄化療法が欠かせなくなっています.そのため, 学際領域としてのcritical care nephrology, onco-nephrology, nephrohepatology,cardio-renal syndromeといった領域や概念も注目されるようになってきました.
 急速に増加する医学知識や技術を把握し実践することはもはや一人の医師の能力を超える時代になりました.腎臓専門医にしても,腎臓・透析領域の最新の知見をすべて熟知することは不可能です.国内外の腎臓関連学会の機関誌だけでも毎月200本を超える論文が発表されているのです.腎臓専門医に期待される役割は増えていますが,残念ながらすべての医療機関・病院に十分な数の腎臓専門医がいるわけではありません.
 医療の質と安全を保証するためには,「マニュアル」をうのみにした医療であっても困りますし,個人の経験にたよった医療でも困ります.信頼できる診療ガイドラインの推奨ならびに病態生理を理解したうえで,専門家の指導下で,個々の患者の状況を配慮しながら治療をすすめることになります.本書は,診療ガイドラインや各施設で定めた治療指針にかわるものではありませんが,腎臓領域で遭遇する主要な病態や疾患の概念,診断方法と標準的な治療を示すことで,第一線の医師と専門家をつなぎ,日々の診療のお役にたつことを願っております.
 編集責任者である私の不手際で本書の企画から出版まで時間がかかってしまいました.各項目を担当していただいた分担執筆者の方々,編集部の皆様に多大なご迷惑をおかけしたこと,読者の皆様のお手元に届くまで時間がかかってしまったことを深くお詫びいたします.

2015年10月
執筆者を代表して
小松 康宏
I.症候からのアプローチ
 1.尿性状の異常(血尿,蛋白尿,白血球尿)
 2.尿量の異常(多尿,乏尿,無尿)
 3.細胞外液量の異常(細胞外液量減少,浮腫)
 4.血圧上昇
 5.電解質異常を疑うとき
 6.血清クレアチニンの上昇
II.診断と検査の重要ポイント
 1.腎の形態・解剖
 2.腎生検:適応,手順,解釈
 3.腎画像診断:特に病棟での超音波検査,核医学検査
 4.腎機能:糸球体濾過値(GFR)
 5.腎機能:尿細管機能と検査法
 6.尿検査の使い方:尿定性,尿沈渣
III.水電解質異常・酸塩基平衡異常へのアプローチ
 1.低ナトリウム(Na)血症
 2.高ナトリウム(Na)血症
 3.低カリウム(K)血症
 4.高カリウム(K)血症
 5.低リン血症
 6.高リン血症
 7.低カルシウム(Ca)血症
 8.高カルシウム(Ca)血症
 9.低マグネシウム(Mg)血症
 10.高マグネシウム(Mg)血症
 11.血液ガスの測定と解釈の仕方
 12.代謝性アシドーシス
 13.代謝性アルカローシス
 14.呼吸性アシドーシス
 15.呼吸性アルカローシス
 16.尿細管性アシドーシス
 17.尿細管性低カリウム(K)血症
IV.腎炎・ネフローゼ症候群,その他の腎尿路系疾患へのアプローチ
 1.糸球体疾患(総論)
 2.急性腎炎症候群
 3.無症候性血尿・蛋白尿
 4.ネフローゼ症候群(総論)
 5.急速進行性糸球体腎炎(総論)
 6.微小変化型ネフローゼ症候群
 7.巣状分節性糸球体硬化症
 8.膜性腎症
 9.IgA腎症
 10.膜性増殖性糸球体腎炎
 11.紫斑病性腎炎
 12.糖尿病性腎症
 13.アミロイド腎症
 14.ループス腎炎・膠原病と腎障害
 15.ANCA関連腎炎
 16.Goodpasture症候群・抗GBM抗体型腎炎
 17.肝障害と腎障害
 18.骨随腫と腎障害
 19.痛風腎
 20.遺伝性腎炎・TBM病
 21.TMA,HUS,TTP
 22.腎静脈血栓症
 23.腎梗塞
 24.囊胞性腎疾患
 25.逆流性腎症
 26.閉塞性腎症
 27.尿路結石症
 28.二次性高血圧
V.急性腎障害(AKI)への対策
 1.急性腎障害(acute kidney injury;AKI)
 2.急性腎障害に対する急性血液浄化療法
 3.造影剤腎症
 4.ガドリニウム造影剤による腎性全身性線維症
 5.尿細管間質性腎炎
VI.慢性腎臓病(CKD),保存期腎不全へのアプローチ
 1.CKDの定義と疫学
 2.CKD腎保護療法
 3.CKDの合併症対策
VII.末期腎不全(ESRD)へのアプローチ,透析療法の重要ポイント
 1.末期腎不全の疫学
 2.透析導入の基準
 3.腎代替療法の種類,適応,選択
 4.血液透析・血液濾過の原理
 5.血液透析・濾過透析の実際
 6.腹膜透析の原理
 7.腹膜透析の実際
 8.腹膜透析の合併症と対策
 9.適正透析の評価と処方
 10.腎臓移植
VIII.薬物療法の重要ポイント
 1.副腎皮質ステロイドの使い方
 2.免疫抑制薬の使い方
 3.降圧薬の使い方
 4.利尿薬の使い方
 5.抗凝固薬の使い方
 6.ESA・鉄剤
 7.ビタミンD他
 8.腎障害時の薬物療法の注意点
IX.食事療法の重要ポイント
 1.腎臓病と栄養評価および食事療法
● 索 引